エッジにおける人工知能(AI)と機械学習(ML)

IoT(Internet of Things)デバイスから生成されるデータ量は膨大で、日々増加しています。

しかし、その中で価値のあるデータはごく一部です。推定によれば、IoTレイヤーからの400件のイベントのうち、注目すべきイベントはわずか1件となっています。そのため、膨大なデータの中から必要なデータだけを効率よく迅速にピックアップできるかが重要です。

Midori Cloudでデータの高効率・低コスト化を実現

システムの故障を予測したり、事前に対策を講じるためには、Midori Cloudが有効です。たとえば、工場の電気変圧器が故障しかけている場合、それが壊れてしまうと、停電が発生するリスクがあります。このようなケースでは重要なデータのみを即座に伝える必要がありますが、巨大クラウドだけでは実現困難です。

すべてのデータを巨大クラウドに送る場合、膨大なネットワーク容量が必要となり、高いコストが掛かります。(日本では理論上可能ですが、国や地域によっては不可能な場合があります。)今も将来も必要とされない可能性が高いデータを保存するためにも、高額な料金がかかります。

Midori Cloudのソリューション

Midori Cloudは、データ発生源の近く(エッジ)で高性能かつ低コストのコンピューティングを提供します。Midori Cloudのパブリッククラウドサービスは、日本国内22都市で展開予定であり、これは現在の商業データセンターやハイパースケーラーの提供範囲を大幅に超えています。(現在、日本のデータセンターの80%以上が関東と関西地域に集中しています。)加えて、プライベートおよびオンプレミスのオプションも提供し、お客様が選んだ場所にクラウドPodを展開可能です。

Midori Cloudのハードウェアスタックは、ARM、Intel、AMD、NVIDIAなどの業界標準のチップセットを使用し、大手のパブリッククラウドプロバイダーと同様のソフトウェアスタックを稼働することができます。

Midori Cloudで実現できること

エッジでAI/MLを活用することで実現できる用途には、数千の例があります。

以下にその一部をご紹介します。

  1. 予測と予防保守のシステム:IoT機器からのデータをリアルタイムで分析し、故障の兆候を早期に検出して、問題を未然に防いだり、その影響を最小限に抑えるシステムを構築することができます。
  1. 不正検出ツール:ストリーミングデータを監視して、詐欺やハッキングなどの不正行為を示すパターンや予期せぬ異常を検出し、不正取引を阻止。さらに、新たな不正行為をセキュリティチームに通知し、更なる調査を行うためのツールを開発できます。
  1. リスク管理システム:市場の変動が激しい時に取引の正当性を判断し、損失が発生する前にリスクを抑えたり、コンプライアンス担当者への通知が可能となる、機動力の高いシステムが構築できます。
  1. 自動運転車の高度制御システム:車載コンピュータだけでは、発生しうるあらゆる状況を予測することは、現実的に不可能です。エッジのAI/MLを使って、自動運転車の安全性と性能を高めるための詳細なガイダンスと制御システムを作ることができます。
  1. ルーティング最適化ソフトウェア:車両や船の能力・状態や現地の条件(天候、潮の流れ、道路閉鎖等)など、最新の状況を考慮して、交通や物流の最適化されたルートをリアルタイムで提案するソフトウェアを開発できます。

Midori Cloudチームは、DXコンサルタントとデータサイエンティストを擁しており、あなたのビジネスを最適化するために最善のサポートをします。

Midori Cloudで利用可能なAI/MLツール

Midori Cloudは、巨大クラウドや自社のシステム上で動作するほとんどのAI/MLツールをエッジに展開可能です。標準ベースのアーキテクチャを採用しております。
※大規模な言語モデルの構築など、大量の永続的データへのアクセスが必要なツールは対象外

Midori Cloud上のAI/MLツールは、ストリーミングデータをもとにして進化を続けることができます。そこで得られたインサイトは、巨大クラウド上のマスターモデルに非同期でフィードバックされ、他のエッジサイトに共有されます。