エッジクラウドとは、センサーやカメラ、自動運転車などのデータソースに近い場所に設置されたコンピューティングリソースの集まりのことを言います。エッジクラウドの「エッジ」とは、データソースに近い場所を指し、「クラウド」は、遠隔地から高度に自動化され、統合的に管理されるコンピューティングリソースの集まりを表します。
私たちのCTO(技術責任者)は、Midori Cloudを「マイクロスケーラー」と称し、AWS、Azure、GCPなどの「ハイパースケーラー」とは対照的なものとしています。
では、なぜコンピューティングをエッジに移動させる必要があるのでしょうか?
それは、データが生成された直後に分析を行うことができるからです。データが生成された直後こそ、最も役に立つ分析ができるタイミングなのです。
ハードウェアの進化はさらに進み、従来のものよりも高性能で低コストかつ省エネになりました。これにより小規模なエッジでの分析が可能になったのです。従来は大規模なクラウドでのみ利用可能だった人工知能(AI)や機械学習(ML)などのツールもエッジで活用できるようになりました。
実際のところ、ほとんどのアプリケーションはエッジで実行することができます。エッジでのデータ分析は、非同期のフィードバックによって処理されます。ただし、データベースやデータウェアハウスにある大量の永続的なデータにアクセスが必要なアプリケーションには向いていません。
開発途上国においては、エッジコンピューティングがデータを迅速に分析する唯一の実用的な方法です。
日本のような高速で安価なネットワーク環境では、ギガビットファイバーや4G/5Gのマルチメガビットが広く利用されています。しかし、エッジで生成されるデータ量は膨大で、指数関数的に増加しています。そのため、すべてのデータを送信するのは実用的ではありません。即時に対応が必要なデータの場合は、ネットワークの遅延が問題になる可能性があります。さらに、ハイパースケーラーの利用料金は高額なため、すべてのデータを移動させることは経済的に困難な場合があります。
では、エッジにクラウドが必要な理由は何でしょうか?
巨大クラウドでは何百台ものサーバーが必要です。大企業には膨大なデータソースがあり、その中に価値のあるデータが埋もれています。すべてのデータ処理を巨大クラウドで行うと、データの送信や処理が遅延したり、データのセキュリティやプライバシーの懸念が発生することがあります。そこで、エッジコンピューティングが重要となります。エッジコンピューティング施設は遠隔地をはじめとした様々な場所に設置されます。
エッジコンピューティングの実験を行った多くの企業は、遠隔地のデバイスを管理することが大きな課題であるとしました。非公式ですが、エッジコンピューティングデバイスが約200台になると、その管理は難しくなるという調査もあります。さらに、多くの大企業は、従来のマネージドサービスプロバイダーやハイパースケーラーにコンピューティングの管理を委託しています。自社でコンピューティングの管理に関する専門知識を持っていないことが一般的です。
Midori Cloudはこれらの課題にどのように対応しているのでしょうか?
私たちのクラウドPodは、データソースの近くでコンピューティングタスクを実行するため、どこにでも設置できます。
最小のアプライアンスはわずか8台のマイクロサーバーで構成されています。一方、Pod Aには最大240台のマイクロサーバーが含まれており、パブリッククラウドの大部分を構成しています。さらに、必要な容量が増える場合、現地の電源とネットワークの制約に応じて複数のPodを設置することができます。
Midori Cloudの管理レイヤーには、クラウド内のすべてのデバイスに完全なリモートアクセスと管理機能が備わっています。そのため、ハードウェアやソフトウェアのインストールのためにエンジニアを現地に派遣する必要がありません。
お客様は、Midori Cloudの管理レイヤーへのプライベートポータルを通じて自らのアプリケーションを安全にプロビジョニングおよび管理することができます。エッジのハードウェアとソフトウェアのインフラストラクチャをご自身で統合する必要はありませんので、自社のビジネスアプリケーションに集中することができます。
Midori Cloudのサポートチームは、ハードウェアとソフトウェアの可用性を保証し、それらのアプリケーションの実行をサポートします
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